外壁の基礎知識

外壁塗装の基礎知識

外壁塗装には専門的な知識が多く、判断に悩むことも多いでしょう。このページでは、業者を選ぶ前に知っておきたい「外装塗装の基礎知識」についてご紹介します。

外壁塗装・屋根塗装はなぜ必要なの?

外壁塗装・屋根塗装はなぜ必要なの?

外壁塗装や屋根塗装の必要性についてご存知でしょうか。定期的に塗装を行っている家もあれば、ほとんど手入れをしていない家もあります。

塗り替える必要性については、大きく分けて下記の3点が挙げられます。

  • 1. 外壁の保護
  • 2. 地域性に合った特別な保護
  • 3. 景観を保つため

まず、外壁の塗り替えで形成される塗膜は、雨や風、そして紫外線など自然環境によるダメージを外壁そのものが直接受けないよう保護する効果があります。塗膜が無い場合、直接ダメージが入ってしまうため劣化も早く、建物自体に住めなくなってしまうところまで発達するおそれがあるのです。
また、場所によっては「海が近いために鉄部が錆びやすい」などといった地域特有の現象もあります。このような現象にも対応できる、特別な保護を行うことも可能です。そして、建物の見栄えや周りの家との調和など、景観を保つためにも外壁塗装は重要なものといえるでしょう。
大切なマイホームに、長く、そして綺麗なまま気持ちよく住み続けるために、外壁や屋根の塗装を施して家を守ってあげることが必要です。

外壁塗装でできること、そのメリットとは?

ここでは、外壁塗装でどんな効果が得られるのか、外壁塗装を定期的に行うことでどんなメリットが得られるのかについてご紹介します。

01
耐久性を高め、家の寿命を伸ばす
自然環境に常に晒されている家の外壁。雨が当たると、材質によっては水が染み込んでしまうことがあります。また、古い家の場合には壁にひび割れが生じていることがあるため、その隙間に水分が入り込む恐れも。これは、家そのものを傷める原因となります。外装塗装を施すことで、水の浸透や隙間への侵入を止めることができるため、壁材の耐久性を保つことができます。こうして壁の劣化を防ぐことにより、家そのものの耐久年数を延ばすことにもつながるのです。
02
シロアリやカビの被害を防ぐ
カビやシロアリが増える原因となるのが、水分が多い環境です。シロアリが増えると壁の耐久性へ甚大な影響を及ぼし、家に住み続けることが難しくなるおそれがあります。また、カビは空気中に放出されてしまうと、家の中で過ごす人の健康被害へとつながります。外装塗装を施すことで水分対策が可能となり、壁材の腐食を防ぎ、シロアリやカビが好まない環境を保つことができます。
03
断熱・遮熱効果の増強
外壁を塗装すると、断熱性や遮音性を高める効果が得られます。人が新しいコートに着替えるのと同じように新しい塗装でコーティングすることによって、冷房または暖房で調節した室内の空気をとどめておく「断熱効果」や、外気が室内に入るのを防ぐ「遮熱効果」が期待できます。光熱費の削減や快適な住環境を保つためにも、定期的な塗装は非常に有効です。

塗り替えのタイミング・塗り替えが必要なサインとは?

「10年ぐらいが塗り替えのタイミング」とも言われていますが、塗り替えが必要なケースは他にもあります。ここでは、塗り替えを推奨するポイントについてご紹介します。

01
汚れが目立つ
塗料には汚れをつきにくくする機能が備わっていますが、この防水性能は時間が経つにつれ低下していきます。汚れが付着しやすくなり、汚れが目立つようになったら塗り替えのサインです。
02
色が褪せる
色褪せの主な原因は紫外線による日焼けです。紫外線によるダメージにより、塗膜の表面が劣化。退色や変色を起こし、防水能力が低下します。全体ではなく、部分的に色褪せることが多いのが特徴です。
03
コケ・カビの発生
コケやカビは、日陰や、日当たりが悪く湿度が高くなりやすい壁に発生します。外壁にコケ・カビが発生していると、内部に浸水しているおそれがあるので注意が必要です。黒ずんでいる場合はカビの可能性が高く、緑がかっている場合はコケが発生しています。塗料に含まれるコケやカビを防ぐ機能が失われているサインとなるので、汚れが目立つようになったら塗り替えるタイミングです。
04
エフロレッセンス(白華)
コンクリートやモルタルなどの壁材では、雨などの水分により、目地やクラックから水酸化カルシウムが流れ出すことがあります。目地から「白い跡」が出ているのを見つけたら、塗り替えのサイン。防水効果が低下しています。
05
目地コーキングの劣化
外壁材の継ぎ目にはコーキング剤が使用されていますが、ここが劣化すると亀裂した箇所から建物内部へと浸水することがあります。水を吸った外壁は大変もろくなりやすいので注意が必要です。
06
チョーキング
外壁の表面を触ると手に白い粉がつくことがあります。これは「チョーキング」と呼ばれており、紫外線を浴び続けることで、外壁の塗料に使っている成分が分離する現象です。このように外壁の表面に白色の顔料が浮き出てくれば、塗料の効果が失われている証です。
07
金属部のサビ
雨樋の固定金具や手すり、門扉、窓の格子などの金属部分はサビが発生しやすくなります。最近使用されている「アルミ」や「ガルバリウム」はサビが発生しづらい材料ではありますが、傷などからサビが発生し、腐食へとつながるため注意が必要です。
08
ひび・クラック
サッシ付近や外壁のつなぎ目などに発生しやすいのがひび・クラックです。幅0.3mm程度のヒビは「ヘアークラック」と呼ばれており、これは外壁の塗料の塗膜だけがひび割れている状態です。一方、0.3mm以上あるひびは「構造クラック」と呼ばれており、外壁の内部へと雨水が入り込みやすい状態なので注意が必要です。
09
サイディング外壁の劣化
サイディング外壁で使われているサイディングボードに浮きや反りがあると、雨水が侵入してサイディングボードが割れてしまうおそれがあります。また、目地に使われるコーキング剤が紫外線によって劣化すると、目地から雨水が侵入してしまうおそれがあります。そのため、サイディングに浮きがないか確認したり、目地を押してみるなど定期的な判断が必要です。

外壁塗装に必要な工程とは?最低10日は必要!

家の外壁を塗装する際の工程についてご案内します。悪天候による、洗浄や塗料の乾燥日数の延長、また壁の状態などにより工程にずれが生じる場合がありますが、外壁塗装に必要とされる工事期間はほとんど同じです。

01 ご挨拶・塗装準備 1日間
外壁塗装は、お隣の家の敷地に塗料が飛んでしまうおそれや塗料で発生する臭いもあるため、挨拶回りは非常に重要です。塗装の1週間前には挨拶回りをしておきましょう。
02 足場の設置 1日間
仮設足場を組み立ててメッシュシートを取り付けます。高圧洗浄の水や塗料が飛び散らないように保護するためです。足場を組み立てるときに大きな騒音が出るので、1の挨拶回りは非常に重要です。単価相場は600~800円で、約30坪の相場は6〜10万円ほどです。
03 下地の劣化状況の確認と処理 1日間
下地の状態をチェックし、問題が見つかったら補修を行います。その後の工程である高圧洗浄によって、壁が壊れてしまうことを防ぐためです。必要であれば、サイディングボードの目地(コーキング・シーリング)の補修も行います。下地処理は一式3~5万円が相場です。
04 塗装前高圧洗浄 1日間
外壁や屋根についた汚れや塗料を落とします。その後、しっかりと1日かけて乾燥させます。ここで水分が残っている状態で塗装をすると、剥がれる原因にもなってしまうのです。高圧洗浄は単価相場が200~250円、約30坪で2~2.5万円ほどが相場です。
05 養生 1日間
塗料がつかないようにビニールシートで覆って保護します。窓やバイクなどをビニールやテープ、マスカーを使って保護します。養生してしまうと外壁塗装公示期間中は締め切った状態になるので注意しましょう。
06 塗装作業:下塗り 1日間~
いよいよ塗装作業に入ります。まず下地強化材を使って「下塗り」を行います。その後に塗る「中塗り」や「上塗り」との密接が良くなり、壁に定着するために必要な工程です。シーラーやフィラー、プライマーなどと記載されていることもあります。
07 屋根の縁切り(塗替2回目以降) 1日間~
2回目以降に塗り替えを行う場合、屋根材の間が塗料で埋まってしまい、雨漏りの原因となる危険性があります。そのため、2回目以降の塗り替えの場合には屋根の隙間に「タスペーサー」を入れる必要があります。
08 塗装作業:中塗り 1日間~
次に下塗りが完全に乾いたら「中塗り」に移ります。最後に重ねる「上塗り」作業では中塗りと上塗りを重ねる必要があるため、これも必要な工程です。
09 塗装作業:上塗り 1日間~
最後に中塗りと上塗りで同じ塗料を重ねて塗ります。それぞれしっかりと乾いてから行う必要があるので、日数が必要になります。中には1日で中・上塗りを行ってしまう業者があるのですが、塗料本来の性能が発揮されないため、同日に行う業者には注意が必要です。
10 付帯部塗り 1日間~
最後に、壁に付随するフードや破風板などの塗装を行います。付帯部分は2回塗ることが多く、鉄部分には3回塗りを行います。
11 ベランダ防水 1日間~
戸建てベランダの場合、FPR防水かウレタン防水を行います。ベランダの劣化は雨漏りの原因にもなりますので、ぜひ行うことをおすすめします。
12 点検・手直し 1日間~
塗り残しや塗りムラを点検し、必要に応じて手直しを行います。そして、お客様と一緒に立ち会いで最終チェックを行います。近くと遠くで見た場合で見え方が違うので、両方確認しておきましょう。
13 片付け・足場の解体 1日間~
立ち会いチェックが終わったら、メッシュシートや足場を解体します。

このように、工事期間中は多くの工程を踏む必要があるため、最低でも10日ぐらいはかかります。そのため、「1週間で終わります!」というように宣伝している業者では工程を飛ばしているおそれもありますので、十分注意してください。

外壁塗装の寿命はどのくらい?各塗料の耐用年数

外壁塗装の寿命はどのくらい?各塗料の耐用年数

外装塗料の寿命は、使用した塗料によって異なります。長くても10~20年とも言われていますが、耐用年数の時期を見誤ってしまうと外壁の状態が悪化し、高額なリフォームが必要になるケースもありますので、正しい情報を得ておく必要があります。
最も耐用年数が長いのは「フッ素系・遮熱系塗料」で15~20年、そして現在主流の「シリコン系塗料」や「ラジカル系塗料」が8~15年となっています。
また、目地や窓際に利用されているゴム状素材のコーキングの耐用年数は7~15年、ベランダや屋上に塗られている雨漏り防止用の防水塗装は8~15年、屋根塗装は6~15年となっています。

塗料の選び方|コスト・環境に合わせて選びましょう

塗料の選び方|コスト・環境に合わせて選びましょう

塗料を選ぶ場合には、コストだけではなく、外壁の種類や環境なども考慮し、家にとって最適な素材を選ぶことがポイントです。外壁にはモルタルやサイディング、コンクリートなど種類が豊富にあり、外壁材に適さない塗料を使うと本来の機能を発揮できず、すぐに劣化してしまうことがあります。また、塗料にはグレードやランクがあります。高グレード品は高価になってくるので、しっかりと予算を決めてから塗料を選びましょう。

  • アクリル塗料

    今ではほとんど使われなくなりましたが、とにかく安く塗り替えたい場合に利用されている塗料です。耐久性が高くないため頻繁な塗り替えが必要になりますが、発色は良いので、「塗り替えを何度もしたい」「数年住むだけだから……」といったニーズに合う塗料ともいえます。耐用年数4~7年で、単価1000円前後と最も安価な塗料です。

  • ウレタン塗料

    塗る材質を選ばない塗料であり、コスト面でも低価格な塗料です。約10年と長持ちする塗料ではありますが、最近ではほぼ使われなくなってきています。耐用年数は6~10年、単価2000円前後です。

  • シリコン塗料

    現在最も主流な塗料です。費用対効果に優れており、コストと耐用能力に優れています。各メーカーが多く生産しているので、選択肢も広い塗料です。耐用年数8~15年と長く、単価は3000円程度です。

  • ラジカル塗料

    2012年に登場した最新塗料で、コストフォーマンスに優れています。各メーカーが新商品を展開しており、競争が最も激しいジャンルです。耐用年数は14~16年のものが多く、単価は3000円〜が相場です。

  • フッ素系塗料

    頻繁に塗り替えできないビルやマンションに利用される、耐候性と寿命の長さが売りの塗料です。スカイツリーなど公共の建物にも多く施行されています。耐用年数は15~20年で、単価は4000円ほどとなります。

  • 特殊塗料

    断熱・遮断といった機能性が高い塗料など、新しい塗料がさまざま開発されています。用途に合わせた塗料を選び、過酷な環境に対応した塗料です。特殊な性能が付与されているため、相場は最も高価な単価5000円前後。耐用年数は15~20年となります。

まとめ

外装塗装に関する基礎知識についてご紹介しました。
2、3回目の外壁塗装を考えている方であっても、以前塗装した頃に比べ新しい塗料も出回っているため、最新情報を得ることは重要です。お問い合わせから施工までの流れや外壁塗装会社の選び方については、下記のリンクをご参考ください。

PAGE TOP